龍谷大学
「ジェンダーと福祉」
講義内容

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2011年度講義要綱

ジェンダーと福祉   中村 彰

社会学部 前期木3  瀬田学舎

3年次以降   

サブタイトル
ジェンダーの視点から社会福祉を考えます

講義概要
昨今、いじめ、虐待、セクシャル・ハラスメント、ドメスティック・バイオレンスなど、私たちを取り巻く人間関係は、ギスギスした関係が多いようです。男女共同参画社会の実現をはかり男女が対等なパートナーとなることで解決を目指すことになりますが、これらは、知らず知らず社会福祉の分野に忍び込みやすい問題でもあります。
 ビデオやワークショップを交えながら、社会福祉のいろんな分野を想定しながら、男(ひと)と男(ひと)、女(ひと)と女(ひと)、男(ひと)と女(ひと)との人間関係のあり方、かかわり方を考えます。講義のベースは、「ジェンダーにとらわれない生き方探し」です。役割期待に押しつぶされず、 関係をうまく生きる術を共に模索します。社会福祉の分野で仕事を持つとき、役に立つ知識でもあります

到達目標
ジェンダーの目線から福祉を捉える力を育む。

講義方法
新聞などのプリント、ビデオなどで判りやすく講義します。ワークショップで自分を振り返る工夫も試みます。

テキスト
中村彰  男性の「生き方」再考  世界思想社  1890
                   
伊藤公雄ほか編 新版・ジェンダーで学ぶ社会学 世界思想社  1890
                   
参考文献
杉本貴代栄(編著) フェミニスト社会政策原論 ミネルヴァ書房

講義計画
1 ジェンダーとは何か
2 日常に潜むジェンダー・バイアス
3 女子差別撤廃条約と男女共同参画社会
4 福祉労働とジェンダー
5 高齢社会とジェンダー
6 育児支援とジェンダー
7 恋愛をめぐるジェンダー
8 セクシャリティをめぐる問題
9 ドメスティック・バイオレンス
10 デートDV
11 セクシャル・ハラスメント
12 若者・女性・高齢者の就業と生活
13 ジェンダーからみた障害者問題


2005年度講義内容

4月14日(第1講)
メディア・リテラシー、聴覚障害だと「自転車が自分のそばまで来るまでわからない」
妻の状況を少し話す。
プリント「ジェンダーと福祉」「男が料理する国」
新聞記事「男らしさに縛られず」「老親の介護 誰がどこまで」
コミュニケーションカードを提出してもらう。

4月21日(第2講)
介護の現場。特別養護老人ホーム事務長(永田良昭さん)の体験談。
新聞記事「ヒューマンリブでつながろう」
ビデオ「女と男の『常識』『非常識』」(滋賀県男女共同参画課 30分)を上映。
コミュニケーション・カードを提出してもらう。

4月28日(第3講)
3歳の孫・幸輝。工事車両とままごと。鍋奉行。
聴力を失ったことによる悪戦苦闘。臨死体験。快美・流産しそうで退職・再就職の困難。
プリント「女の定説・男の定説」
新聞記事「再起のステップ」「戦後60年を生きる 梅棹忠夫」「NPO法人SEAN・G−Free」。
ビデオ『現代家族考』(東京女性財団、1994年度、34分)
コミュニケーション・カードを提出してもらう。

5月12日(第4講)
新聞記事「うつを生きる」「虐待から高齢者を守れ」「ホスピスの看護師」「義母の介護押し付けられ」
ビデオ『社会的入院から住み慣れたまちへ』(大阪市立西成障害者会館ほか)を上映。
コミュニケーション・カードを提出してもらう。

5月26日(第5講)
「性自認」「性指向」「インターセックス」
新聞記事「性の狭間 見つけたきずな」「家族への扉(1)脳症で突然逝った息子 満足いくケアだった」「認知症ケア 広がるセンター方式」
ビデオ『性別の壁の向こうへ・男と女の間で自分探し』
コミュニケーション・カードを提出してもらう。

6月2日(第6講)
新聞記事「ありのままの障害者知って!」「広がる病児保育」「ホスピスや介護 地域でどう支える」
ビデオ『ボケなんかこわくない』(80分、高齢社会をよくする女性の会・京都)をみる
コミュニケーション・カードを提出してもらう。

6月9日(第7講)
新聞記事「良医をめざして」「春待ち企業の忘れ物」「障害者福祉 改革の岐路」
ビデオ『人権 ファシリテーター』(大阪府、30分)
「福祉とはこういうもんや」という固定観念を打ち破り、発想の転換をする。差別・人権に敏感になる。私たちひとりひとりの権利を守る。
コミュニケーション・カードを提出してもらう。

6月16日(第8講)
『男たちの私さがし』(テキスト)から 中村彰「男と仕事」
見新聞記事「安全は取り戻せるか」「高齢者の権利擁護に奔走する 成年後見制度」
ビデオ『背広を脱いだ男たち』(テレビせとうち)
コミュニケーション・カードを提出してもらう。

6月23日(第9講)
新聞記事「考えよう性差」「きまじめなニート」「顔も心もメークで救う」「やさしい介護学 お年寄りの難聴」
秋山なみ・亀井伸孝『手話でいこう』ミネルヴア書房
コミュニケーション・カードを提出してもらう。

6月30日(第10講)
新聞記事「介護 認知症高齢者のお金の見張り番なのに」「言語としての手話」「キレイ3カ条」
新聞記事「10代の性 木原助教授特別講義」「DVは力と支配 デートDVチェックリスト」
ビデオ『根絶! 夫からの暴力'04』(内閣府、30分、2004年)を上映
コミュニケーション・カードを提出してもらう。

7月7日(第11講)
新聞記事「余計なサービス要りません」「娘失った悲しみ棟に」「父子手帳」「家族解体狙い」
ワークショップ「短所・長所の裏表テスト」
ビデオ「大助花子の男・女 どっちが得」(26分、滋賀県男女共同参画センター)を上映。
コミュニケーション・カードを提出してもらう。

7月14日(第12講)
新聞記事「性転換 拘置所 施設移す」「ひとりのチカラ 中村彰」「暴力で得るものはなにもない」「若年性認知症」「絵本 主人公は男の子中心 母との関係強く」
ビデオ「プッシュ」(滋賀県男女共同参画課)28分 上映
コミュニケーション・カードを提出してもらう。


2005年 龍谷大学「ジェンダーと福祉」前期レポート課題
授業とテキストを参考にジェンダーの視点から「福祉」を問う